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暗闇の向こう側

第1章 闇は深い

大野side

俺が帰って時には相葉ちゃんはまだ帰ってきてなかった。スエットに着替えて、洗濯機を回していると
インターホンが鳴った。玄関扉を開けるとスーパーの袋を持った相葉ちゃんがいた。

智「おかえり」

相「ただいま〜」

智「荷物持つよ」

相「ありがとう!」
スーパーの袋を一つ持ち、リビングからキッチンに行き、流し台に荷物を置く。ちゃんと帰ってきたから安心した。

相「すぐに作るね」

智「手伝うよ。先に乾杯する?」
冷蔵庫からビールと冷やしているグラスを出す。
ビールをグラスに注いで相葉ちゃんに渡す。

相「グラス冷やしてるの?マメだね。乾杯!」
二人ともグラスのビールを半分飲み干した。
グラス冷やすのも前の彼女がやってたから、何となく習慣化しただけ。

智、相「うまい」
声が揃ったので顔を見合わせて、笑い合う。
相葉ちゃんがスーパーの袋から食材を出して、ごはんの準備をしてくれている。

智「なにすればいい?」

相「なら、鍋とかお皿出してもらっていい?」

智「いいよ」
ダイニングテーブルにカセットコンロや鍋を出し用意していく…

相「お皿は大ちゃんが揃えたの?」

智「俺が買ったのもあるけど、前の彼女が買ったのが多いかも、何で?」

相「大ちゃんの趣味じゃなさそうだから。土ものの器とか好きそう」

智「食器にこだわりないよ。使えたら何でもいいよ。あんまりわからないし…」

野菜を手際よく切るとこを見ると、よくごはん作るのかな…。あっと言う間に鍋の準備ができていた。
テキパキごはん作る姿を普段見たことないから意外だった。

ダイニングテーブルに二人で座り鍋を始める。
二人だけの仕事も数えるぐらいしかないし、自分の家で鍋越しに相葉ちゃんがいるの不思議。見慣れない光景だな…

智「二人だけで仕事も少ないから、みんないないと不思議だね」

相「このペアでは進行できないから(笑)、鴨鍋、〆は蕎麦だから。どうぞ」
鍋の具材を入れて、俺に取り分けまでしてくれた。
気がつくと相葉ちゃんが全部やってくれてた。

智「ありがとう、うまそう」
口につけたら余りに熱々で食べれなかった。
それを見た相葉ちゃんが笑ってる。

相「熱すぎた?鍋だから…ふふん」

智「うまい!お出汁美味しいね」

鍋越しに相葉ちゃんを見ると嬉しいそうに笑ってた。









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