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距離

第1章 距離3

Nside

ああ、いい具合に酔っぱらってきちゃった。飲むと普段以上に色々言っちゃうな・・・

本当にこのままで付き合っていけたら楽しいのにな・・・

翔ちゃんのうなじが見える。抱き着きたい。普段ならできないけど、酔ったふりしてならと・・・

そっと後ろから抱き着いてみた。
翔ちゃんの匂いがする。
動揺してる、ふふふ。
何、ドキドキしてんだろう。
真面目だから反応が面白い

ニノ「ドキドキするってことは俺のこっと意識してんでしょ(笑)」

翔「そうやって俺で遊ぶなよ」

そう、言いながらも俺を離そうとしないじゃん。と思っていたら急に振り返り、俺の顔を見てくる。

翔「で、ニノは誘ってんの?」

あっ、ヤバい、スイッチ入れちゃったかな。声がマジになってる。

ニノ「翔ちゃんが好きなだけ」

さっきの楽しい雰囲気が一変してしまった。あんなに楽しかったのに、楽しい時間は一瞬だった。

翔「ニノ、俺・・・」

ニノ「いいよ、答えなんて出せないでしょ。謝られるのが一番堪えるわ」

翔「違う、俺本当にどうしたらいいのかわかんない。好きか嫌いかで言えば好き。メンバーとして好き、恋愛としてとなるとわからない」

ニノ「それはごめんなさいって意味じゃん」

翔「わからないって言ってるだろう」翔ちゃんの大きな声が部屋に響く。

ニノ「じゃあ、俺といてドキドキする?お俺はドキドキするよ」

お互いに見つめ合ったまま、動かない。力強い目に吸い込まれそうになる。

翔「正直、抱き着かれてドキドキした。でもこれが好きってことなのか、わからない」

ニノ「なら、試してみればいいんじゃない?」

そういってそっと翔ちゃんに唇を重ねてみた。ゆっくりと唇を離してもう一度、目を見ると・・・

翔「ニノ」
俺のほうに体制を向き替えて、ほほに手を添えて、翔ちゃんからキスをしてくれた。

えっ、何??何がおこってるのか、俺のほうが理解できない。
待って、何??

ゆっくりと角度を変えてお互いの唇の感触を感じる。
すごく優しいキス、壊れものを扱うような翔ちゃんからのキス。

ゆっくりとゆっくりとお互いの存在を感じるかのように・・・
好きな人に触れてもらうってこんなに気持ちいいんだ。
そう思うと涙がでそうになった。

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