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距離

第1章 距離3

Nside

このままじゃ、翔ちゃんの気持ちが二度と俺に向かなくなる。

ニノ「俺、翔ちゃんが好きだよ。それは嘘じゃないよ。でも付き合ってる訳じゃないじゃん」

翔「なら好きってなんだよ」

ニノ「俺は翔ちゃんを好きのままでいればいいの?好きになってくれないのに独占だけするのかよ」

翔「・・・・」

ニノ「翔ちゃんはどうしたいの?俺は翔ちゃんと一緒にいたいだけだよ」

翔「ニノ、俺、もう弄ばれたり、裏切られるのは嫌なんだよ。からかってるならやめて欲しい」

ニノ「違うよ、そんなこと思ってねーよ。どんな思いで俺、この間翔ちゃんとこ行ったと思ってんの?思われてもいないのに、あんなことして・・・惨めになったのは俺のほうだよ」
そう言ってたら、自分の素直になれないところとか、こんな時にどうにもできない口惜しさが涙となって溢れてきた。

翔「ニノ、ごめん。俺。ニノの好きって気落ちに甘えてたんだよ。他の人と寝てたと知ってショックでさ」

我慢ができずに翔ちゃんに抱きついた。

翔「ニノ、ダメだよ。ここだと誰かに見られる」

ニノ「いいよ、見られても。翔ちゃん、俺じゃダメかな・・・」

これを聞いてダメなら諦めないとダメだな。俺ってバカだな。
関係壊しちゃったよ・・・

翔「考えさせてよ」

そう言って翔ちゃんは俺の体を離して楽屋に戻って行った。
残された俺は泣きやむまで屋上で景色を眺める羽目になった。

なんで上手くいかないんだろう。
好きなだけなのに・・・
好きな人に好きということも難しい。

もうちょっと俺が不器用なら上手くいったのかな、もうどうにもならないな。
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少しするとまた翔ちゃんが戻ってきた。

ニノ「何?」

翔「ニノ、楽屋に戻ろう。風邪ひくよ」っと言って暖かい缶コーヒーを持ってきてくれた。

ニノ「その優しさが好きなんだ。でも今は俺を傷つけるって知ってる?」

翔「ニノ、ちゃんと俺考えるから待ってくれる」

まっすぐな瞳で俺の目を見て真剣に話してくれる翔ちゃん。

ニノ「いいよ」

どんな答えでも俺はいいよ、好きって言えたし、結果も出るなら。ダメって言われたら諦めよう。翔ちゃんのまっすぐな気持ちを受け止めよう。
女々しいのは俺の性分じゃない。

二人で楽屋に戻っることにした。

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