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距離

第1章 距離3

Sside

相葉さんとニノのやり取りが聞こえてきた。

どういうこと?
俺のこと好きって言ってたじゃん。何、俺、からかわれてんの?
好きだからあんなことしたって・・・。
なんなんだよ、すげー気分悪くなってきた。これから撮影なのに。

スタッフに呼ばれて撮影が始まる。
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立ち位置など細かく指定されてこんな時に限って、俺の肩にニノの手が置かれる。振りほどいてやりたい、でも撮影だからと気持ちを抑えてた。

相葉さんが俺の機嫌が悪いと感じたのか声をかけてくれる。
相葉さん、ごめん。顔や態度にでないようにしないとと思うけど、俺って人間できてないよな・・・

撮影が進み、少し冷静になってきた。俺がニノの恋愛をどうこう言う権利なんてないはずだ。
大人げないのは俺だ、好きと言われて何も返事もしてないんだし、
このままの状況でいいって言われて受け入れたんだ。

俺のほうが悪いよな。
なんだろう、俺はニノとどうしたいんだろう。できもしないのに独占したいのか。

撮影に集中しなければと思うけど考えが頭の中でぐるぐる回っている。

気が付いたら撮影が終わっていた。昼休憩を挟んでインタビューとのこと、気分を変えようと屋上へと向かった。
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やっぱり寒いよな・・・
コートを着ているが冷たい風が体の体温を奪っていく。
冷静になるにはちょうどいいのかもな。

一人でボーっと景色を見ているとニノに声をかけられた。

ニノ「風邪ひくよ、年末仕事多いだから」

翔「知ってるよ」
ぶっきらぼうな返事をしてしまう。

ニノ「怒ってんでしょ、俺に」
直球に聞いてくる。

翔「いや、別に」

ニノ「言いたいことあれば言えばいいじゃん」

翔「俺がどうこう言う権利なんてないだろう」
そう、言えない。俺が都合よくこのままでいいと言われて返事したから。

ニノ「気分悪いんでしょ、翔ちゃんの好きって言っておいて、他の人と寝たから」

翔「別にいいよ、ニノが誰と寝ようとも関係ない。ニノのプライベートに口挟むつもりないし」
本当は俺に好きって言ったのは何なんだよって言いたい・・・

ニノ「そうだよ、俺、翔ちゃんと付き合ってる訳じゃないから誰と寝ても関係ない」

誰も悪くない。でも何なんだよ。
俺のうぬぼれもいいところじゃん。


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