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黒猫ニーノと相葉さん。

第13章 ぼくは何度だって君に恋をする。

『返してよ!ニーノを返してよっ!
間に合ったじゃん!
俺、間に合わせたじゃん!!

なんで…なんで元の姿に戻ってんだよぉーー!』


相葉さんの言葉を思い出した。



ぼくたちが愛し合ったその日
ぼくは相葉さんのこと、『雅紀』って呼んだんだ

そっか、
そーなんだ…




「もう出ようか」


「あぁ、うん。」




お風呂から上がって髪を乾かすと
相葉さんが冷蔵庫からビールを取り出して
指定席に座った。


「あっ。ちょっと待って!」


慌ててコップを持って隣りに座った。



「ぼくも飲むっ。 飲めるんだよね?」

「飲めるけど、ニーノお酒弱いからダーメ。
後が大変なんだからね?」



うぅぅ…。



両手でコップを握りしめて
上目遣いで相葉さんを見つめた。



「あー、もうっ!少しだけだよ?」


相葉さんのビールをコップに3分の1だけ注いでくれた。

やっぱり相葉さんは優しい。



ゴクリ、と一口飲むと
苦くて懐かしい味と香りが口いっぱいに広がった。



「美味しい?」

「うーん、苦いけど…
この味、知ってる。」



一口
もう一口


確かに知ってる、ビールの味。

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