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恋空予報

第18章 番外編 最近の心情






「可愛い顔?」

「うん。
可愛い顔ってなんだと思う?」



俺はなかなか摘まめないミニトマトと
格闘しながら、雅紀の言葉に返事を返した。


雅紀は「うーん」って少し考えてから
「あっ」って声を出した。



「んーと、笑ってる顔とか
寝顔とか、幸せそうな顔とか?」

「ふぅん…」



「なんでそんなこと聞くの?」って
雅紀が不思議そうに尋ねる。


「潤が…可愛い顔するなって言うから。」

「へぇ…。ぞっこん、だもんね。
ニノはね、拗ねてるときとか
怒ってるときの顔がかーわいいの。」



「えへへー」って気持ち悪いくらい
笑い始める雅紀。



…確かに拗ねたり怒ったりはするけど
それって可愛い顔?


わかんないなあ。



「雅紀は…二宮先輩に
ぞっこんなんだね…」

「そうなんだよ。
ニノ無しじゃ生きていけないよ。」



…でた、雅紀の二宮先輩贔屓。



「昨日もね、エプロンが結べないから
結んでっておねだりしてくるし、
あーんしてくれたんだよ?

もー、俺世界一幸せなんじゃないか
ってくらい幸せだったもん。

それでね――」



…このノロケ話を聞くのにも
いい加減飽きた。


俺は空になった容器を見て
ため息をついた。


…潤、美味しいって
言ってくれるかなあ。

潤の方が料理は上手。

だけど、少しくらい楽にさせてあげたくて
家事は全部俺がやってる。


…早く、抱き締めてもらいたい。

旅行も…行きたいな。

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