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プリンス×プリンセス

第76章 虚言の裏側

「いつになったらまともに話を聞ける人間になるんだ?」

「ごめんって…って!ひどい言い方だな!?」

ちゃんと話は聞いているぞ!

ただ…理解が出来なかっただけだ。

「声を荒らげるな」

あきれたような声のディオに、顔をしかめてみせる。

「では…そもそもなぜジュークが姿を消したのか。お前は分かっているのか?」

そんなの…今までの話の流れだと…

「 自分の保身のためだろ」

皇太子妃に手を出したんだ。

それが合意であろうが、そんなのは関係ない。

裁かれる前に逃げた。

「そうじゃないのか?」

「ならば何故赤ん坊を連れて行った?」

へ?赤ん坊?

「逃げるなら、一人の方が効率は良かったはずだ」

「それは…」

確かにそうだ。

生まれたばかりの子供なんて、手がかかって仕方ないだろう。

「赤ん坊を置いていっても、ディオに似ていないから…すぐにばれてしまうから?」

自分で答えながら、矛盾点に気付く。

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