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プリンス×プリンセス

第76章 虚言の裏側

だから妬くことはないって…そう言いたいのか?

ディオの言葉とキスの意味を捉えかねて、呆然と見続けていると

「お前ぐらいしか、そんな間抜け面しないだろう?」

「はぁ!?」

今、何て言った!?

間抜け面だと?

「そしてすぐ怒る」

腕を掴んだまま、ディオはため息をつくと

「感情を出しすぎだ。気を付けろ」

王子の心得を説くように睨まれた。

…この野郎…っ!!

「悪かったな!」

そういう事ならもっと分かりやすく、言葉で伝えろよ!!

ディオからストールを奪い返し、急いで羽織ると

「だから言えなかった」

ポツリとディオがこぼした声音が。

まるで何かを悔いているかのように、苦悩した声で…

「隠そうとしてもティアナには見抜かれてしまうのはすぐに予測できる」

「姉上?」

何で姉上が出てくるんだ?

それに、見抜かれるって…?

ディオの顔を見たくて、ストールを引き上げる。

「…何の話だ?」

それを聞いた途端、ディオの形のいい眉が歪んだ。

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