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プリンス×プリンセス

第76章 虚言の裏側

すると繋いでいた手を離された。

え……?

ストールで顔を隠してしまったせいで、ディオの顔も見えない。

今まで感じていた温もりが消えて、変に不安感が増してきて…

「…ディオ…?」

呼び掛けたら、頭を後ろに引っ張られた!

「顔を見せろ」

引っ張られたのは、頭に被っていたストール。

押さえも何もないから、簡単にほどけてディオに獲られてしまう。

「うわ…ちょ、待て…っ!」

お前に見られたくないから被っていたのに!

ストールを取り戻そうと伸ばした手を掴まれて、ソファーに並んで座ったまま対峙する形になって…

出来る事がないまま、ディオを睨む。

するとディオは目を細めて笑い…

チュッ

リップ音を立てて、触れるだけのキスをしてきた!

「なっ…!」

驚いて抗議の声を上げる俺に、ディオはニヤリと笑うと

「こんなことをするのはお前だからだ」

「へ?」

あまりの言葉に毒気を抜かれてしまう。

俺だから…キスした、って?

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