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プリンス×プリンセス

第76章 虚言の裏側

冷静沈着な彼女の笑みを思い返す。

ディオに憧れて、ディオのようになりたくて。

いつぞやにはディオを『尊い人』だと崇め奉っていた。

……何て言うか…さ。

眉根に皺を寄せると、ディオが意外そうな顔をした。

「どうした?」

「そんなに俺は頼りないか?」

俺を頼らないどころか、そんな事になってるって話すらしてくれなくて。

何も知らないまま、1年も騙されていた。

「…グレイス王女には頼んだのに、何で俺には頼らないんだよ!?」

グレイス王女のように、ジュークを匿ったりは出来ない。

だからって蚊帳のそとに置かれるのは納得できない!

「面白くないんだけど!」

「まさか…グレイスに嫉妬しているのか?」

嫉妬!?

何をどう捉えたらそうなるんだ!?

ぽかんとディオを見返し…

確かに…今の発言は妬いてるみたいだ。

それに気付いたら、段々と自分の頬が熱を帯びていくのが自覚できた。

とっさにストールを深く被り直し、顔を隠す。

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