テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第76章 虚言の裏側

あっさりと告げられた言葉に、俺はため息をついて頭を抱えた。

ディオも気付いてたか…。

ディオにジュークの生存を告げて。

ジュークに会いに行くって言った俺を止めて。

自分が行く事をディオに許可してもらって、俺と服を交換した姉上は…

「やけに意欲的だったんだよな…」

愚痴るつもりじゃなかったのに、ディオはそれを聞いてハッと短く笑う。

「会いたかった、では納得出来ないか?」

会いたかった?

それは…ジュークに?

それとも…

「ユーノス君がベビーシッターに行ってる子って…」

「連れていった子だ」

「…やっぱ知ってたんだな」

「崖での事故のあと――まぁ、あれは偽装なんだが。グレイスに匿ってもらったからな」

「グレイス王女も…」

彼女も一枚噛んでいたのか。

……そうだよな。

情報統制のしっかりとれた小さな国なら、匿うにはもってこいだ。

それに、グレイス王女なら。

ディオからの頼みを、パーフェクトにこなすんだろう。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ