
プリンス×プリンセス
第76章 虚言の裏側
あの誘拐と、その後の事故。
今となっては連れ去られた事実より、マックスだけが生まれたって虚言の方が真実のような気さえしてくる。
「ディオはあの子を見たって言ってたよな」
するとディオが俺の手を握りしめた。
「何だよ!?」
力を加減しろよ!痛ぇっての!!
握られた手を凝視して…でも離さないから、文句でも言ってやろうと顔を上げたら
「あの子供は俺の子ではない」
………何だと!?
「……はぁ!?」
お前、今何て言った!?
「あの姿を見れば、誰でもそう思う」
手の痛みなんかどこかにぶっ飛んでいった。
それどころじゃないのに、ディオは手のひらをくっ付けて、恋人握りの繋ぎかたをしてきた。
手の甲を指先で撫でられて、くすぐったいようなゾワゾワするような――ヘンな感覚が広がってくる。
「子供の瞳の色は深い緑色だった」
緑色…?
姉上もディオも違う色だ。
エストラーザの血縁者の中には、そんな色の瞳の人はいない。
今となっては連れ去られた事実より、マックスだけが生まれたって虚言の方が真実のような気さえしてくる。
「ディオはあの子を見たって言ってたよな」
するとディオが俺の手を握りしめた。
「何だよ!?」
力を加減しろよ!痛ぇっての!!
握られた手を凝視して…でも離さないから、文句でも言ってやろうと顔を上げたら
「あの子供は俺の子ではない」
………何だと!?
「……はぁ!?」
お前、今何て言った!?
「あの姿を見れば、誰でもそう思う」
手の痛みなんかどこかにぶっ飛んでいった。
それどころじゃないのに、ディオは手のひらをくっ付けて、恋人握りの繋ぎかたをしてきた。
手の甲を指先で撫でられて、くすぐったいようなゾワゾワするような――ヘンな感覚が広がってくる。
「子供の瞳の色は深い緑色だった」
緑色…?
姉上もディオも違う色だ。
エストラーザの血縁者の中には、そんな色の瞳の人はいない。
