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プリンス×プリンセス

第63章 盗み聞き

「貴方にとっては『済んだ』話だろうが…そうではない者がいたのは確かだ」

「それは…ジュークの事か…?」

墓石を眺めながら、老人はうっすらと笑みを浮かべる。

そんな彼に、ディオは身を屈めて近付くと

「母親を亡くした子供の心に入り込むのは容易かっただろう?」

嘲るような口調に、老人はびくりと肩を震わせた。

「あいつが俺の義兄だと知れ渡ったのと同時に、こんな話を吹きこんだのではないか?」

「何を根拠に…」

「俺を亡きものにしたら、あいつがフェールロコノの王になれる、と」

老人の驚愕の表情に、ディオの話が嘘ではないのが分かって…

「貴方の戯れ事に、あいつもよく付き合ったものだ」

老人を真っ直ぐに見て、あきれたように突き放した言い方をした。

その途端、老人に憤怒の色が広がり…

「貴様…っ!!」

「おっと!!」

老人が振り上げた手を、ディオは軽々とかわし、逆に老人の腕を捻りあげる。

「ぐっ!!」

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