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プリンス×プリンセス

第63章 盗み聞き

その目をディオは真正面で受け止めて…にたりと笑った。

「知らない訳はない。はねたのは貴方の部下だ」

「違う!!」

どくん、どくん…

自分の鼓動が激しくなっていく。

木の幹にしがみつくようにして体を支えて…

それでも、二人から目が離せない。

「女が飛び込んできたと証言し、目撃者まで仕立てて、飛び込み自殺として処理した」

あ…

ジュークのお母様の話を聞いたとき、ディオは『自殺した』と言って…

ジュークは『自殺などしない』って否定していた。

ずっと疑問に思っていたけど、聞くに聞けなかったのだけれど…

まさか…まさかそんな事件だったなんて!!

「偽りの証言のおかげで…貴方の部下は情状酌量で執行猶予がついた」

「っ…!」

「人を殺して無罪か」

苦々しげに呟き、はっと息をつくディオに、老人は拳を握り締めた。

「何を調べたのかは知らんが…そんな昔の話、今更持ち出すのか?」

「今更?」

「もう済んだ事ではないか!!」


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