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プリンス×プリンセス

第63章 盗み聞き

確か…ジュークのお母様が亡くなられて、身寄りを失ったからこの城へ来たと聞いたわ。

昔からの知り合いだから、力になったという事?

でも、荷担って…

ディオの言い方だと、まるでそれが悪いことのように聞こえてしまう。

「調べはついている。今更隠すこともあるまい?」

「儂が…何を隠していると!?」

「あいつの母親は…車にはねられて死んだ」

ディオの言葉に、私の心臓がドキリと音を立てる。

調べ…ジュークのお母様の…?

「貴方のことだ。母親を王家の手の者がつけ狙っていたとでも、あいつに教え込んだのだろう?」

え…?

ディオの口調から、『あいつ』がジュークの事だとは承知している。

だけど…どういう事?

この人はジュークに何をしたの?

老人はディオの出どころを図っているのか、眉根を寄せたまま…眉間に深い皺を作っていた。

「母親の命を奪ったのは、フェールロコノの関係者。そう教え込んだ」

「知らん!!」

老人はぎらついた目でディオを睨んだ。

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