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それに気付いたのか、老人はにたりと笑みを浮かべる。

その笑みはどういう意味のものなの…？

老人がジュークを思いやって言っているのではないのが分かって…ぞくりと悪寒が走った。

幹に伸ばした手が震える。

老人は鬼の首をとったように、ディオへ言い放った。

「兄を大切に想う弟なら、手厚く葬ってやるべきだろう!?」

「大切に…か」

老人の言葉を繰り返して、ディオはハッと息を吐いた。

「俺が何も知らないと思っているのか？」

「な…」

老人が驚愕の顔に変わる。

老人に向けたディオの表情は、さっきまでの微笑みは一切なく…

冷やかな色の瞳を細めて、いっそう鋭さを増していた。

「な…何の話だ…!?」

「まずは…あいつがこの城に来たことに、貴方が荷担していた件だ」

「な…儂は…」

目を見張り、固唾を呑み込むその様子から、老人が絡んでいたのは明らかだと見られる。

でも…意味が分からない。

ジュークの…昔からの知り合いなのかしら？