テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第23章 ミッションクリア

「そう…だな」

確かに変わったと言えばそうなんだけど…

素直に頷けないでいると、それをどう受け取ったのか、ジュークは目を細めた。

「そうですよね」

念を押すように言われて、何とも居心地が悪くなる。

こいつは…何が言いたいんだ?

眉をひそめてジュークを見ると、薔薇の花に手を添えて眺めていて

「この花は、何という名前なんですか?」

しらっとそんな事を聞いてきた。

「これは…サマーレディだ」

花弁が柔らかくて、縁がレースのようにくるりと巻いている。

薄いピンクの色合いも清楚だし、名前の通り夏の暑さにも負けない強い品種だ。

「サマーレディ…美しい名前ですね」

ジュークは花を包み込むように手を這わすと、花に顔を近づけた。

「いい香りです」

そうだな。

この品種は、香りの強いものに入るからな。

香りを嗅いで満足げなジュークに、思わず笑みを浮かべると

「テリオス様」

ジュークが花から離れると、真っ直ぐ俺を見た。

「一つ、お願いがあるのですが」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ