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プリンス×プリンセス

第23章 ミッションクリア

ドキリと心臓が跳ねた。

ジュークは…何を言うつもりなんだ…?

「あ…あぁ。俺が持っていったから」

花を飾るのは悪いことじゃない。

別に嘘をつく必要もないだろ?

だから正直に言った方がいい、と思ったのに

「そうですか…やっぱり」

ジュークの笑みに、眉を寄せた。

…何だって言うんだよ!?

「ディオチェスター様が、この花をひどくお気に召されたようです」

「え」

「机の上に飾られて、もう何日になりますかね」

あの日から、もうすぐ1週間だ。

忘れようにも、忘れられない日。

「少し萎れてきたので処分しようとしたら止められました」

あの日の出来事を思い返していたせいで、ジュークの話をすぐに理解できなかった。

「へ?」

「まだ枯れた訳ではないから、と」

「アイツがそんな事を…」

姉上の部屋を薔薇で埋め尽くした時は、枯れていなくても1日で処分したのに。

「変わったと思いませんか?」

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