テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

寝起きのぼんやりした瞳を覗き込んで、にっこり笑うと

「………まま?」

寝ぼけ眼のまま、私に手を伸ばしてきて…

思わず、その手を握る。

するとルーミーは目を見開いて…

「まま?」

さっきよりも力強い声で呼び掛けられた。

「まま、まま!」

そのまま抱き締められて、胸に顔を押し付けられた。

「ルー…テシアちゃん」

その途端、大きな声で泣かれた。

驚いたジュークが飛んでくるくらいの声で泣き叫ばれて、私は背中をさすってあやすことしか出来ない。

見かねたジュークがルーミーを抱き上げようとする。

「ルーテシア、離しなさい」

「やぁっ!」

ルーミーは私の服をぎゅっと握り締めたまま、ぐりぐりと顔を押し付ける。

「ジュー…あ、ヤリス、さん。このままでいいの」

よしよしと頭を撫でてやると、少しだけ落ち着いたのか、ルーミーの力が緩んできた。

「おはよう。朝ごはん、食べようか?」

笑って問いかければ、涙を浮かべてしゃくりあげながら、こくんと頷いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ