テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

翌朝――

身支度をして1階に降りると、ジュークが厨房で作業をしていた。

「おはようございます」

声をかければ、少しだけ肩を震わせたあと、にこやかに挨拶された。

「早いのね。何か手伝える事はある?」

ジュークは困ったように周りを見渡し…

あ、と声をあげた。

「ではルーテシアを起こしてもらえますか?」

どくん、と胸が高鳴る。

「……いいの?」

「あなたがよろしければ」

そんなの、断る訳がないでしょう!?

この前案内された寝室へ向かう。

「ルー…テシアちゃん、起きてる?」

ドアの前で声をかけて、ゆっくりと戸を開く。

以前と同じ部屋。

同じ場所でルーミーが寝ている。

くーくーと聞こえる寝息がとても愛らしくて、しばらく見入ってしまった。

あ、いけない。起こさなければ。

「ルーテシアちゃん、起きて。朝よ」

肩の辺りを軽く叩いて声をかければ、ルーミーが顔をしかめて覚醒した。

「おはよう、ルーテシアちゃん」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ