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プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

ジュークがこっちを見たので、急いで首を振って話を終わらせた。

ルーミーのお世話がしたいなんて、身勝手な申し入れだったわ。

あの子は、ジュークが育てているのに。

「寝かしつけるのに時間がかかりますから。もし休まれるなら、階段を登ってすぐの部屋を使って下さい」

「ありがとうございます」

とりあえず、今晩だけ。

明日になったら出ていくから。

心の中で謝罪して、言葉をかける。

「ジューク、お休みなさい」

「はい、お休みなさい」

寝室に向かうジュークを見送って、それからお風呂を使わせてもらう。

前よりも洗いやすくなった髪が、もう元には戻れないと実感させてくれた。

もう私は『ティアナ』ではないから。

テリオスがうまくやってくれている事を願ってる。

そうすれば、マックスは悲しい想いをしなくても済むわ。

『まぁー?』

目を閉じればマックスの声が聞こえてきそうで…

シャワーを顔に当てた。

涙も不安も…全て流れていけばいい。

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