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プリンス×プリンセス

第82章 改めて誓う

鍵が締まる音は、解錠の音よりも静かだった。

でも、静寂の中で聞く金属音に、何故だか鼓動が早くなる。

「どうして鍵を…」

「ゆっくり話したい」

ディオはそう答えて、祭壇に向かって歩く。

「ここなら邪魔は入らないからな」

それはそうだろう。

誰もいないのは当然だし、鍵を掛けたなら誰も入ってこれない。

「話って…」

ディオが祭壇の前で振り向いた。

「誓いを立てようと思ってな」

誓い…?

突然何を言い出すんだろう?

ディオのしようとしている事が想像もつかない。

そのままディオを見ていると、再度こちらへ向けて手を差し出した。

「こちらへ来い」

何をするつもりなんだろう?

分からないけど、行くしかない状況になっている。

ひとつ息をつくと、ディオへ近付いていった。

祭壇の前まで行くと、ディオが手をすくうように取って…

「…っ!」

指先に、ディオの唇が触れた。

「な…何を…」

「やっと約束を果たせる」

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