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プリンス×プリンセス

第82章 改めて誓う

指先にキスをしたままこちらを見る瞳。

その目に、身動きできなくなる。

「約束…?」

「忘れたのか?」

唇が離れて――ディオの目が笑みを含んで柔らかくなった。

「結婚式の後、庭園で」

そんな何年も前の事…

「宣誓をやり直せ。そう言われた」

瞬きを何度かして、記憶を思い起こす。

あれは…披露宴の後。

『神様の前で、ちゃんと誓い直した方がいいんじゃないか?』

「国民を騙した以上、神には真実の誓いをしろと」

え…?

だって、それは…

「考えておくって言っただけで、今まで何もしなかったから…」

興味がないんだと思っていた。

こういう行為は無理矢理行う事じゃないから、仕方ないと諦めていた。

なのに、あれをディオは『約束』だと思っていた――?

「だったら、何故、今?」

「神に嘘はつけないのだろう?」

ディオの指が髪を滑るように撫でる。

そのかすかな感触がくすぐったい。

髪を1つにまとめてある部分まで触れられる。

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