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にじいろ。

第24章 サクラ咲ケ。

家に着くと
玄関先でどちらからともなく抱き合った。


和也「お迎えありがとね。嬉しかった。」

雅紀「んーん。俺が早くかずに会いたかったの!」


まーくんの冷え切った手が
俺の頬を包むから
そっと目を閉じると
二人の唇が重なった。





グゥー…





和也「ぷはっ。」

雅紀「もー、俺、最悪!
ムードぶち壊しじゃん!」


まーくんが落ち込んでる(笑)


和也「お腹空いてるのに俺のこと待っててくれたからでしょ?
気にしないで、まーくん。

食べよ?ご飯。」


雅紀「うん。食べよっか!」



リビングに上がって暖房をつけると
制服のジャケットだけ脱いで
夕飯を温め直して二人で向かい合って食べた。



雅紀「作曲の方は進んだ?」

和也「ぼぼ曲がついて
あとはラップ詞のとこだけだよ」

雅紀「凄いじゃん!頑張ったね♪」

和也「風間の音楽ソフトが優秀だからね」

雅紀「違うって!かずに才能があるからでしょ?」




その日あったこと
お互いの知らない時間をこうやって話すことで
一緒に居られなかった時間を共有できる
それって凄く幸せで
贅沢なことだなって。

俺がそんな風に感じることが出来るようになったのは
まーくん
あなたのおかげなんだよ?

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