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にじいろ。

第24章 サクラ咲ケ。

風間が持ってる音楽ソフトは実に優秀で
楽譜が書けないミュージシャンなんかも使ってるという。
生歌を吹き込めば
音を拾って即座にオタマジャクシをパソコン上に弾き出す。


斗真「今は凄ぇこと出来んだな」


機械音痴の斗真が興味津々でパソコンの画面を眺めていた。



Aメロ、Bメロにも曲が付いて
あとはラップ詞の部分だけ、ってってどこまで来て



― コン コン ―



部屋をノックする音が聞こえた。


「俊介? 入るよ?」



ん? 俊介?



ガチャッとドアが開いて
ひょこっと顔を出したのは
風間のねーちゃんで。


姉「あっ!ごめん!
お友達来てたんだ?」

三人「「「おじゃましてます」」」


俺たちはペコッと頭を下げた。






うわ。アリス風間だwww

風間と風間のねーちゃんは瓜二つで。
美人というより、ちっこくて可愛らしい女性だった。


姉「そろそろ晩ご飯になるよ?」

風間「え?もうそんな時間?」


時計を見ると6時半になるところで。
みんなして曲作りに夢中になってて時間なんて気にしてなかった。

スマホを確認するとまーくんからラインが入ってる。


雅紀『俺の可愛いかずー!
早く帰ってこーい!(笑)』


そのふざけたメッセージに思わず笑みがこぼれた。


和也「じゃあ、俺たち帰るわ」

斗真「遅くまで悪かったな」

村上「続きはまた今度な!」

風間「おう。今日はありがとな!
気を付けて帰れよ?」


姉「何もお構いできませんで」

お姉さんがペコリと頭を下げる。


和也「いえいえ。お邪魔しました。」



深々と頭を下げて
俺たちは風間の家を後にした。

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