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Starlight Kiss

第5章 家族

ー翔sideー


カズ「じゃあ…付き合う事になったんすか?てかもう一緒に住んでるって何すかその展開」


「まぁ、交際と同棲が同時スタートってゆーか…」


職場の控室。
コーヒーを飲みながら俺はカズに雅紀との事を報告した。


あの雨の日から1週間。
荷物の少ない俺は少数の荷物だけで雅紀のマンションに引っ越しを終え、俺達は甘い生活をスタートさせた。


カズ「まぁでも…良かったっすよ幸せそうで。で…そっちの方は?」


「………最高。もう…1週間毎日してる」


カズ「それはそれは…蜜月っすね。仕事に影響しますよ?」


「大丈夫。仕事のセックスとプライベートのセックスは全然別物だから」


カズ「あんなに頑なだったショウさんがこんなにのろけるとは…ごちそうさまです」


「ふふっ」


カズ「でも…仕事の事大丈夫なんすか彼は」


「………大丈夫じゃないけど…必死に耐えてくれてる。だから決め事にしたんだ。2人の時は絶対に仕事の話はしないって」


カズ「そっか」


カズは安心した様にコーヒーを飲み干した。


カズ「今度こそ…幸せになって下さいね」


「ありがとカズ」


そして俺達は立ち上がり、仕事へと向かった。




雅紀から連絡が来たのは夜の9時過ぎだった。
早目に仕事を上がり、舞の見舞いを済ませた俺のスマホに残業で帰宅がもう少し掛かりそうだとメールが来た。


「じゃあ…もたれない夜食作って待ってよ」


俺は返信をして、スーパーへと向かった。




「ん?」


マンションに着き、俺達の部屋が視界に入ると、扉の前に知らない誰かが立っているのが見えた。
年は…50代半ばだろうか。荷物を抱えて立っている。


「あの…」


近付きながら声を書けると驚いた様にその女性が俺を見つめた。


女性「あ、すみません。部屋間違えました!相葉雅紀の部屋だと思って…」


慌てて頭を下げ、その場を立ち去ろうとした。


「あ、あの!間違いじゃないですよ。相葉雅紀の部屋です」


呼び止めると、その人は振り返り、不思議そうな顔で俺を見た。


女性「じゃあ…貴方は…」


「え?」


女性「私…相葉雅紀の母ですけど…貴方はどちら様?」


バサバサと、スーパーで買った荷物が俺の手から落ちて行った…。

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