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「指☆フレ」

第6章 アパート編

(PART-28)

クルマから降りるとき…

あぁそぅだ、そぅいぇば…と後部座席を漁る

いい加減整理しないといけない後ろの座席

出てきたのはテレビキャラクターのフィギュアのキーホルダー

前にクレーンゲームで落としたやつだ

本来の目当てのやつを取る前に滑って一緒に落ちてきたやつだ

クルマを施錠してアパートの入り口に向かうと親子はまだ玄関先に立っていた

母親と目があったので軽く会釈だけする

話しかけられたらおもちゃを渡そう

会釈だけだったら格好悪いから通り抜けようと思ってた

ごめんね、人見知りなんだよ

ボクは通り過ぎてエントランスに入ろうとしたら

「あ、あの…今朝はありがとぅございました」

「いえいえ、アシ痛むでしょうガラスは深く切れちゃうから…」

「ええ…ちょっとまだズキズキします」

「ああ…そうだ…はいコレどうぞ」

男の子の前にキーホルダーを差し出すと、ビックリした顔で母親の後ろにまわっちゃった

「え…いいんですか?」

「たまたまゲームでとれちゃったので、良かったら」

「お兄さんくれるって」

「…」

無言で手が伸びる

「じゃあね」

「あ…ありがとぅございます、ほらっ…お兄さんにありがとぅって」

「う?…リガトッ」

突然の大声に狭いエントランスが響く

ボクは笑って階段を上がっていった

ピッコロなんてあんな小さい子にわかるかな…
せめてアンパンマンにしたら良かったかな…

やっぱりどこか格好ワリィ

別れて二階まで上がってると、下から「痛ッ!!」て声がした

廊下まで歩いちゃったんだけど、気になって階段まで戻り手すりから覗いてみる

やっぱり母親だ

手すりにつかまりながら階段を歩こうとしてるけど、きっとクロックスのつま先が当たるんだろうな

ボクは階段を下りて肩を貸した

「ああ…すいません…」

肩で支えてるけど片足づつジャンプするのはこちらも怖いなぁ…

中二階の踊り場まで来たのでちょっと一服

「あの…おんぶにしますか?」

「え?…いや…そんな申し訳ないです」

「お姫さま抱っこ出来るほど力不足なんで…おんぶのほうが楽かもしれません」

ボクは手すりに手をかけながら膝を落とした

「ご、ゴメンナサイ…重いですけど…」

両脇をグッと締めて立ち上がってみた
意外といけそう

…とは言ったものの


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