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「指☆フレ」

第6章 アパート編

(PART-26)

深夜…仕事から帰宅して、アパートに車を停め、1階のエントランスで郵便受けboxをチェックするのが毎日の習慣

デリバリーや不動産のチラシを捨て、宛名入りのものだけ選別する

たまにエントランスで他の住人とすれ違うこともあるけど、まぁめったにない

家具家電つきアパートなんて短期の単身者ばかりなので、数ヶ月だけの仮住まいの人ばかりだ

たぶん一年近く住みついてるのなんてボクぐらいだろう

スーツ姿のオジサンやお兄さんがほとんど
会釈はするけど互いに顔なんて見ない

どうせ2ヶ月か3ヶ月だけなんだから…て感じ

最近、変わったのを見るのはエントランスに幼児用の三輪車が見られるようになったことだ

7割近くが法人契約と不動産の営業マンは言ってた
残りの個人契約はリフォームとか落成間近の新築購入者ぐらいだそうだ

だから三輪車は珍しいとは思うけど、まぁ仮住まいの人だろうなぐらいに思ってた

それから数ヶ月…

いつものようにエントランスで郵便受けを見ていたら突然メイン入り口のドアが開いてびっくりした

誰かとすれ違うなんて、ホントに稀なんだから

そこには母と子と思われる2人が立っていた

向こうも、エッ…?て顔してる
母親はボクと同年代か少し下くらいか、スーツ姿のOLさんって感じ

子どもは幼稚園いく前くらいの男の子だった
手にはロボットを持っていた
ガンダム系ならわかるんだけど、戦隊ロボはまったくわからなぃな…

軽く会釈だけして2人はエントランス横の階段を上がっていった

三輪車が置いてあったのはあの子のかぁ

しかし、一年以上いてるボクだけどあんな小さい子どもの声なんて聞いたこともなかったんでちょっと意表を突かれた…

上ってことはボクと同じ2階か、最上階の3階の住人か…

視線を逸らせていたので母親の顔は覚えてなかったけど、子どもの顔は覚えてる

ロボットを取られないように緊張した表情でかわいらしかった

その母子の住人のことはそのまま忘れていた

するとあれからたびたび見かけるようになった

相変わらずお互い無言で会釈だけの近所付き合い

ワンルームのアパートなんて干渉されたくないし、干渉したくもない住人ばかりなんだから

たまに少年と目が合うのでバイバイと手を振ってもぷいっと背けられてばかりだった…


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