Fallen Angle
第1章 Re
小さくなっていく男の背中を見送って、見えなくなるとよれたグロスを指で拭い店に戻った。 ロッカーで女たちに挨拶を交わし、着替えると裏に待たせてあったタクシーに乗り込んだ。
歓楽街から離れ雑居ビルの前でタクシーから降り、会員制のバーのチャイムを鳴らした。
「蓮だけど」
『開いてるぞ』
インターフォン越しに男の声が聞こえる。
ドアを開けて中に入り、カウンターの隅に座った。
「ビールもらうぞ」
「うん」
蓮がタバコを咥えると、男に手を添えて火をつけて貰い何度も煙を肺に満たす。
「いつものでいいのか?」
「うん」
シェーカーを振る小気味よい音が店内に響く。
カウンターにうなだれていると目の前のカクテルグラスに注がれ、淡いピンクに染まるFLMINGO LADY。
「これ飲んだら帰れよ」
「分かってるって、悠くん」
起き上がり小さな瓶ビールを指差して受けとると、悠の前の華奢なグラスに注いだ。
「おつかれ」
持ち上げたグラスを合わせて一口
「客がいないんだからその呼び方やめろ。気色悪い」
「だって癖になってるもん。昔みたいに呼べないよ…お兄ちゃん…だなんて…」
語尾が小さくなり、うつ向く蓮の腕を引き寄せると小さく唇が重なった。
悠の腕を払い
「もう、酔ってるの?いくらお客さんがいないからって…聞いてるの?」
蓮の抗議に悠は背中を向け、黙ったまま素知らぬ顔でグラスを拭っている。
「…いつまでも小さな子供じゃないんだから」
小さく呟いた。
隣の椅子に置いたバッグの中の携帯の点滅に気付き、画面を開いた。
《どこにいるの?》
〈悠くんの店だよ〉
返信すると直ぐに
《下にいるから降りてきて》
一気にカクテルを飲み干すと慌てて
「帰るね」
「もういいのか?」
「飲んだらすぐ帰れみたいに言ってた癖に…」
「外まで送るよ」
悠がカウンターから出ようとするとチャイムが鳴り
「ここでいいよ。またね」
手を振るとドアを開け、すり抜けるように客と挨拶を交わしすれ違う。
小走りに外へ出ると黒塗りの高級車が既に停まっていて、慣れた右の助手席に体を沈めると
「お疲れさ…ま」
運転席の男に腕を掴まれると引き寄せられ熱く唇が重なり、吸い付くように舌を絡める音に体の奥が痺れ溺れそうになる。
男の胸を押し
「…ここじゃダメ」
指先が蓮の頬をくすぐる。
「どこならいいの?蓮はどうして欲しい?」
「源さんの意地悪…」
歓楽街から離れ雑居ビルの前でタクシーから降り、会員制のバーのチャイムを鳴らした。
「蓮だけど」
『開いてるぞ』
インターフォン越しに男の声が聞こえる。
ドアを開けて中に入り、カウンターの隅に座った。
「ビールもらうぞ」
「うん」
蓮がタバコを咥えると、男に手を添えて火をつけて貰い何度も煙を肺に満たす。
「いつものでいいのか?」
「うん」
シェーカーを振る小気味よい音が店内に響く。
カウンターにうなだれていると目の前のカクテルグラスに注がれ、淡いピンクに染まるFLMINGO LADY。
「これ飲んだら帰れよ」
「分かってるって、悠くん」
起き上がり小さな瓶ビールを指差して受けとると、悠の前の華奢なグラスに注いだ。
「おつかれ」
持ち上げたグラスを合わせて一口
「客がいないんだからその呼び方やめろ。気色悪い」
「だって癖になってるもん。昔みたいに呼べないよ…お兄ちゃん…だなんて…」
語尾が小さくなり、うつ向く蓮の腕を引き寄せると小さく唇が重なった。
悠の腕を払い
「もう、酔ってるの?いくらお客さんがいないからって…聞いてるの?」
蓮の抗議に悠は背中を向け、黙ったまま素知らぬ顔でグラスを拭っている。
「…いつまでも小さな子供じゃないんだから」
小さく呟いた。
隣の椅子に置いたバッグの中の携帯の点滅に気付き、画面を開いた。
《どこにいるの?》
〈悠くんの店だよ〉
返信すると直ぐに
《下にいるから降りてきて》
一気にカクテルを飲み干すと慌てて
「帰るね」
「もういいのか?」
「飲んだらすぐ帰れみたいに言ってた癖に…」
「外まで送るよ」
悠がカウンターから出ようとするとチャイムが鳴り
「ここでいいよ。またね」
手を振るとドアを開け、すり抜けるように客と挨拶を交わしすれ違う。
小走りに外へ出ると黒塗りの高級車が既に停まっていて、慣れた右の助手席に体を沈めると
「お疲れさ…ま」
運転席の男に腕を掴まれると引き寄せられ熱く唇が重なり、吸い付くように舌を絡める音に体の奥が痺れ溺れそうになる。
男の胸を押し
「…ここじゃダメ」
指先が蓮の頬をくすぐる。
「どこならいいの?蓮はどうして欲しい?」
「源さんの意地悪…」
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