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second girl【完】

第8章 願い

五郎は何食わぬ顔で戻って行った。



酔いなんてとっくに覚めていた私は、どんな顔で戻って行ったのか覚えていないほど、動揺していた。






――――――――――――………

「晶!携番教え「晶ちょっと来いよ」」



帰り際に菊池君が私に携番を聞こうとした時に、五郎がそれを邪魔するように、私の腕を掴んだ。




そして、私が酔ってないのなんて分かってるくせに



「酔っ払いやがって」



なんて笑ってるし…



でも、あのまま菊池君に携番を教える気にもならなかったから、私も五郎の嘘に付き合うように、ちょっとよろけてみた。




菊池君はすぐに諦めたらしく、私の友達と携番を交換していた。



昔だったら、何の迷いもなく、携番を交換して、遊んだりしていたと思う。






「晶…あれ」







五郎が私の腕を掴んだまま、視線だけ少し先を見ていた。





その視線の先には隆史がいた。




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