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お前は俺のxxx

第112章 彼の過去。



『ずっと支えてくれていた彼女を俺は傷つけてしまった。
流星がさっき言った..同じ言葉で...。』


〝 堕ろせ 〟


添えていた私の手は、碧の手から力無く滑り落ちた。


『最低だよな...。
責任も取れないガキが彼女を身篭らせといて、かけた言葉が堕ろせって。』


私はショックを隠しきれなかった。
視界がぼやけポロポロと流れ落ちる涙。


もしも自分が…
同じ言葉を言われたとしたら…?


何度も涙を拭うけど、想像するだけで涙が止まらない。


『そして彼女は何も言わずに俺の前から消えた。失って初めて気づいた。俺にとってすごく大切な存在だったことを...』


過去の話を聞いてショックだったけど、その中で気づいた事があった。


過去の自分の苦しみ…

彼女の心を傷つけてしまった痛み。

失って初めて気づいた自分の心。


碧は颯太や流星先輩に、自分と同じような思いをして欲しく無かったんだ…


それを必死に伝えようとしていたのだと..


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