テキストサイズ

お前は俺のxxx

第104章 何してんの…?




(ヤダ…嫌だ…。)


気付くと、私は逃げるように走り出していた。


涙が溢れ出しボヤける視界で周りなんて見えない。



さっきの颯太の姿を思い出したくなくて、周りを気にする余裕すら無くて…夢中で走った。



人の波に逆らいながら、人混みをかき分けるように進んでいた時、私を呼ぶ声が耳を掠めた気がしたけど、今すぐこの場所から抜け出したかった。



お祭り会場を抜けると、どこを歩いているのか自分でも分からない程、フラフラと歩いていた。



頭に過るのはずっとあの光景だけ…


振り払いたくても頭の中から離れていかない。


目の前に見えた、昼間立ち寄った公園に入ると中にあるベンチに腰掛ける。


走ったせいで鼻緒で靴づれした足がヒリヒリと痛んだ。



『もう…やだ…。』



私は膝を抱き顔をうずめた。



『お姉さん♪
こんな所で1人でどうしたの?
友達と逸れちゃった?』



突然声をかけられ、顔を上げると私の両隣りには男の人が2人座って顔を除き込んできた。



『うっわ〜!めっちゃ可愛い♡』



『マジで可愛いね〜♪
って、ぇ…?泣いてたの?』



私の顔はきっと涙でボロボロだ…



『せっかく可愛い顔してるんだから、
笑ってる方がもっと可愛いと思うよ♪』



『俺たちと遊びに行く?
楽しい事したら元気出るよ♪』



もうどうでもいい…



私はコクっと頷いていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ