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お前は俺のxxx

第104章 何してんの…?



携帯を見るけど、やっぱり圏外で繋がらない。


時計を確認すると、あれから30分が過ぎていた。



「颯太…。」



周りからは楽しそうな声が聞こえてくる。
私は1人、颯太の帰りを待っていた。



(早く戻って来て…。)



暗い場所に1人でいることが心細くなってきた私は、人通りの多い場所へ…


まこっさんのお店で待っていようと、シートをたたんで通りの方へ歩いていると、少し離れた場所から男女の声が聞こえてきた。



(あー。ナンパか。お祭りだし、男女のグループって結構いるからね。)



私は急いで通り抜けようとした時、聞きなれた声に歩く足が止まっていた。



離れていてよく分からないけど、聞き間違えるはずなんて無い。



いつも聞いてる優しい声…



鼓動がバクバクと音を立て始め、震える手をギュっと胸の前で握りしめると、恐る恐る声のする方へ足を進めた。



私の目に飛び込んできたのは…
やはり颯太の姿だった。



女の子の肩を抱き、耳元に口を寄せて何か言っている。



離れているため、何を言ったのかは分からない。


でも…


女の子の顔はすごく嬉しそうで
その光景を目にしてしまった私は
胸がギュッと押し潰されたかのように
跳ねる鼓動で呼吸が苦しくなった。

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