
甘く染めて
第10章 №9
春夜は双子の弟で、
昔からやんちゃで、女の子が大好きで。
俺も女の子大好きだったから、春夜と二人で色々してた。
『ただいまーっ!』
『父さーん、母さーん!』
『いねぇの? もう夕方だから、どっちか帰ってるはず…』
『ぁあっ、あぁっ、ダメ…』
『? 何、今の声』
『母さんじゃ…ない…』
俺らはこそっと、声が聞こえるリビングのドアを開けた。
『!』
『と、う、さん…』
父さんと、若い女はリビングで堂々とヤッてた。
ここ、俺らの家だよ。
お前(女)の家じゃねぇよ。
父さんが大好きだった春夜は、震えていた。
父さんの不倫は母さんに見つかり、離婚。
もちろん、母さんに俺らはついていった。
父さんと母さんが離婚したあの日から、春夜は変わっていった。
