
甘く染めて
第10章 №9
「す……?!」
「言うな…」
俺は原の口を手で押さえた。
そうだよ、本当はわかってたんじゃないの?
山田のことが好きって、
わかってたんじゃないの?
「俺は…」
ドッシーーーン…
「「?」」
窓の方からすごい音が聞こえた。
「何? 何事?」
俺の手をどけて、原はそう言うと窓の方に向かって行った。
俺は図書室のカウンターに座り、原の様子を見た。
「…いっ…ぇな…そ!」
この声…
春夜?
今日はこの学校に新任として来たんだっけ。
「ふぇ?! せ…いが…り?!」
「り…お…?」
もし、莉緒が春夜につかまったら。
絶対、春夜はーーー
莉緒とヤるだろうーーー
