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甘く染めて

第10章 №9


 何か、今、本閉じる音聞こえた…

 気の…せいかな…


 原を見ると、俺を上目使いで見ていた。


 「…ねぇ、前電話したときの声って…莉緒だよね?」


 ほら、めんどくさい。


 「どういうことなの?莉緒とどーゆう関係なの?」


 山田…と…?


 山田は…


 「や…」

 セフレ?


 『先生!』


 脳内で山田の声が響き渡った。


 本当にただの、セフレ?


 「…は?原に関係ないけど?そんな話」

 「関係あるのっ!先生は何も思ってないと思うけど、私っ…」


 俺のそでをぎゅっと握りながら話す原は、幼い子に見えた。


 「…莉緒だったらどうすんの?」


 「それはっ……」


 『それは』? 何?

 俺のことが好きって言うの…?


 『先生…好き…誰よりも先生が好き…』

 『ん…俺も好きだよ』


 「…っ」

 「先生の…こ、と…」

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