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甘く染めて

第10章 №9



 「…」


 先生と同じ匂いがする。

 安心…するなあ…


 「…泣くなって」

 「っひっく…だって…」


 私の頭を優しくなでる…

 ではなく、

 私の頭を乱暴になでる。

 い、たい…


 けど、

 それが、春夜先生なんだって思った。


 「先生は…っく…、何でこの学校に?…」

 「あー、んーまあ、兄貴とは偶然だったから、別に、何も」

 「そっかあ…っ…」


 春夜先生の腕の中って本当に安心するなあ…

 やっぱ、先生に似てるからなんだろうな…


 「あ、でも…」

 「あ?」

 「(怖い…) 何で私のこと知ってるんですか?」


 顔を上げ、春夜先生の目をジッと見て言った。


 「…」

 「は、るや先生?」


 「そんな目で見るな、ブス」

 「は?!」


 私は春夜先生の胸から離れ、


 「ブスゥウウウウウウ!」


 春夜先生の頭をちょっぷして逃げた。

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