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人間と吸血鬼

第10章 新しく

和也「雅紀…俺全部思い出したって言ったじゃん?」

雅紀「うん…」

俺はソファーに座りながら聞いた。

和也「人間の時はいいことなんてなかったよ。ただ普通に生きて普通に暮らして普通に恋人がいて普通に仕事して…」

和は話を続けた。

和也「自分で言ったら変だけど周りからも好評は良かった方だと思うし家族とも仲良かったし。」

雅紀「そうなんだ…」

和也「でも俺のことを気に食わない奴もいた。そいつに殺されたんだよ、俺。何もかも全部取られた。恋人も家族といる時間も人間の人生と言うものも…」

雅紀「……」

和也「吸血鬼になってすっかり人間を好まなくなってた。でもその時に出会った…」

和は俺の頬に手をあてて…

和也「雅紀…お前に…」

雅紀「えっ…」

和は俺の目を見つめた…

和也「初めは怖かっただろ?いきなり血を吸われて住ませろなんて言われてさ。でも雅紀は受け入れてくれた。俺はその時、少しずつ心を開いた…雅紀に…」

雅紀「和…」

俺は和の目を見た…

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