
アクマにアソコを貸しました
第10章 イカ?いいえ、津島です
顔を両腕で覆い、ギュッと目を瞑る。
あ、お腹の辺りが狙われているなら顔よりお腹を庇えば良かったな。
ドスッ!!という派手な音がしたわりに、痛みがちっともやって来ない。
「はい、そこまで〜」
思わず力が抜けてしまいそうな一言に、安心のあまり膝から崩れそうになった。
恐る恐る目を開けるとマソォの鞄が萌々ちゃんと私の間を遮るように差し出され、ナイフの切っ先を深々と受け止めていた。
「マソォ…」
涙混じりの呼び掛けに真赭が肩越しに微笑んだ。
「梓穏見つけた。遅くなってごめん、怪我はない?」
「だ、大丈夫ぅ〜…ありが」「何なのよっ邪魔しないでよぉっ!」
んぎぎ、と力をこめてマソォの鞄からナイフを引き抜こうとする萌々ちゃん。
ふわふわの女の子が信じられない力を発揮して、深く刺さっていたナイフがゆっくりと抜けていく。
狂気すら立ち昇る眼力に背中がゾワッとして、思わずマソォの背中にしがみ着いた。
「だーかーら、ダメだっての」
マソォはユルい調子でそう言って躊躇う事なくナイフの刃を掴んだ。
グッ
ググッ
手のひらにも指にもこれ以上ないほど刃が食い込んだのを見て萌々ちゃん越しの桐原さんは口角をつり上げた。
あ、お腹の辺りが狙われているなら顔よりお腹を庇えば良かったな。
ドスッ!!という派手な音がしたわりに、痛みがちっともやって来ない。
「はい、そこまで〜」
思わず力が抜けてしまいそうな一言に、安心のあまり膝から崩れそうになった。
恐る恐る目を開けるとマソォの鞄が萌々ちゃんと私の間を遮るように差し出され、ナイフの切っ先を深々と受け止めていた。
「マソォ…」
涙混じりの呼び掛けに真赭が肩越しに微笑んだ。
「梓穏見つけた。遅くなってごめん、怪我はない?」
「だ、大丈夫ぅ〜…ありが」「何なのよっ邪魔しないでよぉっ!」
んぎぎ、と力をこめてマソォの鞄からナイフを引き抜こうとする萌々ちゃん。
ふわふわの女の子が信じられない力を発揮して、深く刺さっていたナイフがゆっくりと抜けていく。
狂気すら立ち昇る眼力に背中がゾワッとして、思わずマソォの背中にしがみ着いた。
「だーかーら、ダメだっての」
マソォはユルい調子でそう言って躊躇う事なくナイフの刃を掴んだ。
グッ
ググッ
手のひらにも指にもこれ以上ないほど刃が食い込んだのを見て萌々ちゃん越しの桐原さんは口角をつり上げた。
