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アクマにアソコを貸しました

第7章 その位、ちょっとヤンチャなだけじゃないですか

ぷるぷると首を振る。記憶を消されたくなんかない。


「梓穏…来い」

やだやだと首を振ってマソォにギュッとしがみつく。

その時、思わぬ方向から邪魔が入った。
「真赭様…もっとください。その女は何ですか?真赭様は渡さない…私だけに精をください…」


虚ろな目をしてこちらを見据える彼女の手にはどこから出したのかナイフが握られていた。

何これ…本物の修羅場なの?

「真赭、どうして鍵を掛けておかなかった?そうすれば梓穏はここへ入れなかった」

ハッと振り向けばケィシがしかめっ面で腕組みして少しずつ近づいて来る。


「掛けたよ。良かれと思って魔力で鍵を掛けたんだけど」

マソォはチラッと私の顔を見た。

「梓穏は俺たちの魔力が体に馴染んでるから鍵も誤認識したみたいだね」


「そんなに、か。やはり長く居すぎたな」


「…馴染んで…許せない…女…殺す…」

ナイフを構えた女がマソォのセリフに反応して、再びゆらゆらと前に出てきてしまった。

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