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アクマにアソコを貸しました

第7章 その位、ちょっとヤンチャなだけじゃないですか

落ちてきたファイル等を拾って一ヶ所に置いた。
この中から関連のありそうなものをピックアップして、更に今回のケースを当てはめた内容で資料を作る。これなら今日中に関連資料を仕分けるところまでいけそうだ。


二人で手分けして分類を進めていたところで、マソォのケータイが鳴った。

普段はケータイを持たないので、完全に仕事用だった。さすがに働く以上は無しで済まされなかった、とボヤいていたっけ。

取り出して着信画面を確認すると、しかめっ面をした。私の顔をチラリと見てからため息を吐いて通話をタップする。

「もしもし、…今大事な作業中で…そういう私的な事での電話は…
わかりました。今行きますので」

通話を終えてからすまなそうに私を見た。

「ゴメン、ちょっと呼ばれちゃって。すぐ戻ってくるから」

頭の撫でてから資料室を出て行ってしまった。マソォが選別してくれたおかげで、この先の作業がすごく楽になったから平気。

ふと床に何か落ちている事に気づいた。ケータイを取り出す時に一緒に落ちてしまったのだろう。
…そうだ休憩を兼ねて持って行ってあげよう、今なら追い付くかも。


そんな軽い気持ちで資料室を出てからその辺をうろうろしたら、彼が廊下の先を曲がったのが見えた。

良かった、追い付いた。そう思って廊下を曲がると、マソォが会議室に入って行った。私が進むより早く女の人が来て会議室に入って行った。

何となく見てはいけなかった気がして、そっと踵(きびす)を返したのだった。

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