
悪魔と淫美な世界へ
第2章 ~可愛い?年下男子~
朝…
学生鞄を肩から下げた制服姿のゆきは、玄関で靴を履き扉に手を掛けようとした―――
「送る」
「っ…」
振り返ると魁の姿があり、着崩した黒いYシャツから鎖骨が見えて全身から色気を漂わせていた。
人間離れした美貌に、ゆきは思わずドキッとしてしまった。
「なにをボーッとしてる ?
早くしないと遅刻する ぞ」
「えっ…うっ‥うん…」
先に行ってしまった魁の後を追う様に、ゆきは浮かない様子で玄関を後にした―――…
☆ ☆
ぞろぞろと生徒達が登校する中…
黒塗りの高級車が門の前で停まり、ゆきと魁が出てくる姿があった。
「あ‥ありがとう…」
「帰りも迎えに行く」
「えっ‥別にいいよ…」
魁がいると目立つし… この車もだけど…
「俺が居て都合の悪い事 でもあるのか?」
ズイッと整った顔を近づけ、その表情はムッとした様に見える。
「そっ‥そんなんじゃっ ―――」
「お前のお気に入りの男 がこっちを見てるぞ」
「えっ?」
辺りを見渡すと、門の前で立ち止まりこっちを見ている蒼空の姿があった。
あっ…
「そんなにあの男が気に なるのか?」
「別に気にしてない…」
慌てて蒼空から視線を外した瞬間、グイッと魁に顎を掴まれ強引に唇が重ねられた。
「んっ…やっ‥‥」
わざとこんな所でっ
みんなの視線が痛い…
周りの生徒達に見せつける様に、魁はいやらしく舌を絡めてチラッと蒼空に視線を向けた。
蒼空はその刺激的な光景を目の当たりにして、顔を赤くさて逃げるように門の中へ去って行ってしまった。
フッ…
「終わったらここで待っ ていろ
もし居なかったら
今度は‥‥」
シュルッとリボンを外され、ゆきは慌てて魁から離れた。
「わっわかったからっ… 」
「フッ…」
顔を赤くさせて慌てるゆきに、魁は満足げに車に戻り‥そのまま車を走らせた――――
