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花火の秘密

第2章 りんご飴の秘密

さっきとは違う屋台でひなはやはり銃とにらめっこして店員さんを困らせた。

たくさんの人が俺たちのすぐ後ろをぞろぞろと通り過ぎる。

「ひな!もうすぐ花火やからはやく。」

「ちょっと待て!!集中させろ!」

大物狙いではなく倒すことが目的となった今、さっきまで見向きもしなかった小さな箱は黄金に輝く宝への切符だ。

「…先買っとくで。」

これはずいぶんと時間がかかりそうだ。

俺は流れに巻き込まれないように細心の注意を払ってさっきの占い屋の隣にある屋台へと向かった。

いざ向ってみれば初め二、三人ぐらいしかならんでないように見えた。しかしそれは石畳に広がる太い人の層と同化していて、帰り間際のお土産を求める客でごった返していた。その列の最後尾が占い屋のすぐ前まで延びている。

ここの前を通った時はここまでじゃなかったのに。

さっきまでの気分のいい空気は列の後ろに並んだときにはすっかり干上がってしまった。

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