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わすれない

第2章 それぞれの傷

「それは、、、きっと、あなたの父上のお人柄でしょうな。」


茅瀬は生前の父には多大な恩義を感じているのだと言った。私は、いつもにこやかに優しい眼差しで見てくれている父しか知らなかった。


「美里さん。これからどんなことが起きようと目を背けてはなりませんぞ。私はあなたの味方ですからな。」



「ありがとうございます。父に、、、両親に感謝しなくちゃ。」



茅瀬がニッコリと微笑んだ。私も久々に心が穏やかだった。

「それはそうと、美里さん。あなたのお家、楓家はまだあなたのものとして今も南条にあります。どうなされますか?」

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