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わすれない

第2章 それぞれの傷

圭介はぎゅっと抱き締めたまま大丈夫だ。と くりかえした。私は圭介のぬくもりに安心していた。


「なぁ、美咲。退院したら自分ちに戻らなきゃいけないよよな?」


圭介は少し心配した顔で聞いてきた。



ーーー退院したら。あの家に帰らなきゃいけない。



「大丈夫か?・・・・俺のうちにくるか?」


きっと、すごい顔をしてたんだと思う。
圭介は優しすぎる。


「・・・ありがとう、でも一度帰らなきゃ。」






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