テキストサイズ

わすれない

第2章 それぞれの傷

「――これは、失礼しました。 楓さん、また来ます。その時は今回のことちゃんと説明していただけますね?」


男は、俺の方には見向きもせず、看護師にお辞儀をして病室を出ていった。



「ごめんなさいね、部屋の入り口にはちゃんと面会謝絶の札をさげていたんだけど、、、。
スタッフステーションに誰もいなかったみたいで入ってきちゃったみたいなの。
後で他の看護師たちにも、受付の人にも言っておくから」



俺に向かって話す看護師さん。

俺は美咲に謝った。


美咲は蒼白な顔をしたまま 大丈夫だから。 としか言わなかった。



あの男…いったい何者だ?美咲はなぜ怯える…。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ