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わすれない

第2章 それぞれの傷

「楓さん、この方があなたを助けてくれたと言う方ですか。」


――か え で…?



長身の男は美咲に向かって楓といった。


美咲はただでさえ色白の肌をしているのにさらに青くなっていた。



――美咲にとっていやな奴なのか?いや、そんな生易しい状況じゃないんだろうな。



男はずっと美咲を見つめたままだ。



「‥‥どなたか知りませんが、この病室は面会謝絶です。申し訳ありませんが、お引き取り願います。」



俺の後ろから声がした。
それぞれ声がした方に顔を向けた。



そこには、さっき来た看護師が立っていた。

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