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わすれない

第2章 それぞれの傷

――今、目の前にいるのはゆかりではない。


わかっている。頭ではわかっているけど、どうしても美咲とゆかりを被らせてしまう。


そんなときに病室のドアがノックされた。


――誰だよ。誰も来ないようにしたのに。


返事しないでいるとドアがあいた。


そこには黒いスーツをきたスラッとした長身の男が立っていた。




そいつは俺をシカトして美咲に近づく。


「ちょっ!!おい!」


腕をつかむと俺の方を向いてジロリと睨まれた。

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