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仮面な人たちの恋愛夢小説

第9章 愛が強さに?蜂蜜と指輪の思い出(鎧)

それから暫く戒斗と話し込んだ彼女は、時と共に時間が来ると帰宅した。
自宅はユグドラシル・コーポレーションビルの最上階から二つ下の一番奥。帰宅した彼女は食事を済ませ、お菓子作りに励んだ。

『何がいいかな‥』

作るお菓子を考えると、突然知らない番号から電話が──。

『はい…もしもし?』

「──俺だ」

『えっ、ぁ‥貴方どうして私の番号‥』

「お前は隙が多い。番号くらい入手する暇はあった」

『入手って…変なことしないでくださいよ?』

「するかっ。そんなことより、何か忘れていないか?」

『忘れ物‥‥あ』

電話の相手は戒斗で、意外にも彼女の忘れ物を指摘してきたのだ。
どうやら彼女は御礼に行った際、ポットをバロンのアジトに置き忘れて来てしまった様子だった。

「今度来るまで預かっていてやる。ただし、手土産を忘れるな」

『ぁ、はい。勿論。あのー、リクエストとかありますか…?』

「リクエストだと?‥‥お前の好きにしろ」

『ぁ‥切られちゃいました…』

戒斗に電話を切られてしまい、仕方なく自分で考える事にした彼女は口元に手を当てる仕草を取った。
その時彼女は不意に思い出す。
口元についたチョコレートケーキを、どさくさ紛れのキス(?)で取った戒斗のあの意地悪そうな顔を思いだし彼女は急に恥ずかしくなる。
そんな想いと同時に、新たなお菓子を思い付いた。

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