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翌日のこと。
その日は彼女に取って久しぶりの休日だった。
昨晩作ったお菓子と蜂蜜入りの紅茶を手に、あらかじめ戒斗に電話を入れバロンのアジトへと脚を運んだ。
──アジトに着いた彼女は、思わず目の前の光景に目を疑った。

『ぁ…あの、これは一体‥』

「見ての通り、俺のチームのメンバーだ。何か不満か？」

『ぁ、いえ、ケーキはホールで作ってしまったので食べて頂ける方が増えたのは嬉しいんですが…』

それまでは何ともなかった彼女の様子が一変した。
いつぶりだろうか。普段は来ない震えが、沢山の男を目の前に彼女に震えが襲った。
それに気付いた仲間たちが不思議そうに見詰める中、戒斗が彼女の肩に触れた。
彼女はビクリッと身を震わせて、戒斗の手を払ってしまった──

「っ…おい…？」

『ご‥、ごめんなさい…！』

自然と流れる涙を目に溜めながら、彼女はケーキとポットを置いてその場を走り去って行ってしまった。
戒斗は不審に思いながらも、あんな表情を見せられてしまったもので体が動けずにいた。
すると仲間の一人・ペコがふと言った。
「──もしかして彼女…」